面接時の給与の条件が、入社してから変更される

社員数が100名規模のソフトウェア開発企業へ総務部の課長として入社したのですが、面接時に合意した給与について、入社して3ヶ月後に一方的に変更されてしまいました。入社するときの私の面接は1度だけで、面接官は専務取締役(管理本部担当)でした。

専務との面接は、相性も良かったのかもしれませんが非常に円滑に話が進み、その場で待遇面での話に進みました。そのとき、年収は600万円という条件で合意したのでした。賞与はありませんので、月給50万円です。ただし、人事評価が3カ月に1回実施されるとのことで、評価が悪ければ当然給料は下がるし、評価が良ければ上がると言われました。そして、6カ月に1回、給与の見直しが実施されるとの説明がありました。

さらに、入社の条件として、会社の近くにある社宅に入居することが挙げられました。借り上げ社宅の費用は、家賃の80%を会社が負担して、20%を入居者である社員の給与天引きとの説明を受けました。そのときは私は独身でしたので、会社が借り上げているマンションへの入居を了承しました。

入社して2ヶ月後、会社が借り上げている分譲マンションに入居しました。大手不動産会社が開発した有名ブランドの分譲マンションで、ワンルームで20平方メートルの広さでしたが、かなり満足感のあるマンションでした。家賃は12万円とのことで、私の負担分は2万4000円でした。

入社して3カ月後、初めての人事評価が実施されました。この会社の人事評価は、事前に上司と面談して目標管理を設定する方式ではなく、上司の価値基準で部下を一方的に評価する内容でした。ですから、いまから振り返れば恣意的な人事評価が可能な仕組みだったのです。私の人事評価者は、なぜか部長ではなく担当役員である専務取締役でした。専務からの人事評価は予想外に低い評価でした。低い評価だったのですが、具体性に欠けており、納得いく内容ではありませんでした。私への評価についての書面も提示してもらえませんでした。

そして、さらに3カ月経過して2度目の人事評価が実施されました。そこでも、合理的理由のない低い評価を受けてしまいました。このときは給与見直しの時期でもあったのですが、月給50万円が月給38万円まで減額されてしまいました。私は、さすがに驚き、そして怒りを覚えました。私は、専務取締役に「いくら人事評価が低いといっても、これだけ大幅な減額は認められない」と抗議しました。すると、専務は「高級マンションを社宅として提供している。会社側が賃料の80%を負担しているが、これは給与に該当する。だから、今回の給与見直しにあたって、社宅の賃料負担分を給与から差し引いた」と説明したのです。 私は、「それは採用面接のときの説明と話が違う」と抗議しましたが、専務は聞く耳を持ちませんでした。他の社員に聞いてみると、彼らも同じような仕打ちに遭っていたのです。

私は個人的に知っている社会保険労務士に相談しました。すると、従業員の給与を20%以上減額する場合は、事前に従業員から同意を得る必要があると説明を受けました。そして、借り上げ社宅の賃料について会社が80%負担していることについても、入社時に事前に説明を受けていないのだから、十分に会社と戦えると説明を受けました。

私は、労働審判の申し立てをすることにしました。労働審判とは、労使間のトラブルを3回以内の審理で解決していく制度です。ここで、私は雇用契約書を提出したり、会社の就業規則を提出したりして、会社側が私に対して強引に不利益変更を実施したと訴えました。3回の審理を経て、会社は不当な給与変更であったことを認めて、月給50万円から38万円への変更を撤回してくれました。そして、いまも月給50万円で働いています。私は会社と争った人間ですので、今後、おそらく昇給や昇進はないでしょう。