時間外労働なしと書いていたのに

過去に過重な労働時間での勤務を経験し、体調を崩したことがあったので次に働くところは時間外労働が少ない所を希望してハローワークで仕事を探していました。

その中で見つけた求人は、老人ホームの広報兼事務という仕事で、賃金・就業時間・社会保険ともに理想的な内容で、しかも時間外労働の有無の欄に「なし」と書かれていました。ただ私自身すでに社会人経験もありましたし、「時間外労働なし」と書かれていても、まったくないとは思っていませんでしたので、多少の時間外労働は覚悟して面接に行きました。

面接の際にも念のため確認はしたのですが、やはり忙しい時期は多少の時間外労働はあるが、普段はほとんどないという説明だったので予想の範囲内で安心しました。その後、採用の連絡をいただき無事入社することができたのですが、まず入社した最初の日に「今回の採用は事務長ということになるので管理職に該当するため、時間外労働があっても割増賃金の対象にはならない」と説明を受けました。

確かに賃金は割と良かったですが、まさか入社してすぐに管理職になるとは思ってもいませんでしたし、少し戸惑いましたが仕事自体はやりがいがありそうでしたし、承諾することにしました。すると続けて休日の話になり、「老人ホームなので受付には365日誰かがいなければならないから、休日は土日を二人で交替で休むことになるので土曜日か日曜日のどちらかは出勤してもらう」ということを言われました。さすがにこれは当初の労働条件とあまりに異なるので、たまに出る程度であれば対応させてもらえると思うが毎週ずっと一日しか休めないのは困るということを伝えました。しかし、管理職としての採用なので土日どちらかは出てもらわないと困るとの一点張りでした。

入社して間もないということもあり、やむなく受け入れることにしましたが、土日は基本的には面会の方の応対や電話応対だけの仕事ですので、待機中は入居されている方が不快にならない程度であれば私用をしてくれても構わないということでしたので、読書をしたり新聞を読んだりして時間を潰していました。しかし毎週のことなので、読書などでは時間が余ってしまうことも多かったので、どうせなら老人ホーム内で何かイベントをして入居中の方や面会に来られた方にも楽しんでもらえないかと思い、現場の介護・看護職員とも相談して知恵を出し合ってレクレーションなどを企画させてもらうようになりました。

これが功を奏したのか、今まで受付がある事務所と現場の介護・看護職員との間に、なんとなく壁があるように感じていたものが払しょくでき、今まで以上に老人ホームに一体感が生まれました。それ以降は土日以外の外出イベントにも現場以外の我々事務スタッフも交替で同行するようになり、介護・看護職員からも頼られることも増えましたし、こちらから介護・看護職員へ依頼することもスムースに行えるようになりました。

もちろん、現場スタッフと事務スタッフで意見が分かれることもありますし、お互いに対する不満もゼロになることはないとは思いますが、これまではおそらく陰で言い合うだけだった関係が、ある程度は面と向かって言える環境はできたと思います。

そして私個人にとっても、土日のどちらか出勤という状況は変わらなかったものの、電話も面会もまったくないときには時間が経過するのがものすごく長く感じられていた仕事の時間が、スタッフとともに活動することで有意義な時間の過ごし方ができ、非常に充実した職場環境にすることができました。

仕事をしていれば、ときには辛いと感じる出来事もあると思いますが、同じ時間を過ごすのであれば少しでも楽しめる方がいいですよね。