人気企業のプライドに気づけずに

私は日本を代表する大手メーカーの2次面接(個人面接)に行きました。このメーカーはメインの春採用と追加の夏採用を行っており、私が選考を受けたのは夏でした。もともと第一志望群の会社ではなかったため、春採用は受けていませんでした。また、業界研究や企業研究も付け焼刃でした。その企業はとても規模が大きく、事業内容を正確に把握することすら困難だったのです。志望動機はどうにか準備しましたが、勉強不足による不安な気持ちで面接に臨みました。

面接中、面接官は私に、「あなたはなぜ春の選考を受けなかったのですか」と聞きました。完全に予想外の質問だったので、とても困惑しました。本音を言えば、「春の時点ではそこまで興味がなかったから」ということになりますが、そう答えるわけにはいきません。頭をフル回転させ、どうにか「ずっと貴社を志望していましたが、春採用の時点では貴社の就職イベント(合同説明会や先輩社員の座談会など)に参加できていませんでした。貴社のイベントはいつも満席で、参加したくてもできなかったのです。私は就職イベントで直接話を聞いてから応募することにしておりますので、応募が遅くなってしまいました。申し訳ありません」と答えました。(実際、その企業はかなりの人気企業なので、就職イベントが満席になることは珍しくありませんでした。)かなり苦し紛れの回答です。しかし、面接官はそれ以上追及しませんでした。 私はその質問ですっかり緊張が切れてしまい、「この面接はもうだめだ。落ちるに違いない」という諦めの境地に達しました。そのため、面接官が「最後に何か質問はありますか」と質問したときも「いえ、特にありません」と答えました。「貴社に興味はありません」と言っているようなものです。失礼なことをしてしまった、最後まで丁寧に回答すべきだったと後で反省しました。

しかし、よく考えれば、面接官の質問はあらかじめ予想できたことです。人気企業であれば、春採用でも夏採用でもかなりの倍率です。そして、本当に第一志望で選考を受けに来る学生がたくさんいます。そのため、夏採用に応募してきた学生に「本当にうちに来たいの?本当に志望しているなら春採用に応募するんじゃないの?あなたは春採用で落とした多くの学生より上等な人間なの?」と聞きたくなるのも当然のことです。人気企業のプライド・自負を見抜けなかった私が甘いのです。

この出来事のあと、面接を受ける前には「聞かれたら答えに窮する質問と、もし聞かれたときの答えをまとめたリスト」を作るようになりました。上記のように追加採用に応募する場合は、あえて追加採用を選んだ理由を考えるようにしました。他にも、面接官から会社の弱みを打ち明けられたときのフォローなどを用意しました。また、業界研究や企業研究も以前より熱心に行うようになりました。具体的には、その業界に関する専門書を読んだり、その企業に関する時事ニュースを集めたりするようになりました。もちろん、質問リストを作っても予想外の質問が飛んでくることもあります。それでも、精神的には随分余裕が持てるようになりました。その自信は、おそらく面接官にも伝わったと思います。実際、この出来事以降、面接の通過率は格段に上昇しました。

結局、なぜか上記の2次面接には受かり、3次面接(最終面接)にも通過し、現在はその企業に勤めています。内定を得られた理由は不明ですが、「失礼なことをしてしまったのに拾ってもらえた」という意識が強いので、できるだけ一生懸命働こうと思っています。